インタビューを受ける伊大知さん

“託される人間”として
ニュースの舞台裏に迫る

報道局 取材センター 社会経済班キャップ伊大知 明宏

「綺麗なまとめ方をしなくていい…」
先輩からの言葉

インタビュー

取材をする上で大切にしていることは、取材対象者と「本気で向き合う」ことです。災害の現場では、自分の家が大雨で流されたり、地震で倒壊して家族を失い、打ちひしがれている被災者の方を目の当たりにすることがあります。僕の問いかけで、被災した時のことを思い出し、涙を流される人もいました。「果たして、自分のやっている取材は誰かのためになっているんだろうか」と何度も葛藤しながら、現場取材を重ねてきました。

私が迷った時に大事にしているのは「綺麗なまとめ方をしなくていい」という先輩からの言葉です。2024年1月に発生した能登半島地震の取材では、各報道機関が被災者にフォーカスする報道が多い中、地元の解体業者に密着。生まれ育った街を自分たちで解体しなければならないという苦悩、それでも能登のため、自分の家の解体は後回しにして復興の最前線で奮闘する人たちの取材を通して、被災地のリアルを映し出しました。また、独自資料も交えて「なぜ能登の復興は遅れているのか」を環境大臣に直撃。地震発生直後から継続取材を続け、ガイアの夜明け「進まぬ復興 その真実」(2024年6月28日OA)という形で放送しました。

能登半島の取材に行った際の中継写真
実際に能登半島の取材に行った際の中継写真。

“ひと手間”をかけた先にあるもの

インタビュー
ガイアの夜明けロゴ

入社前から憧れていたガイアの夜明けのディレクターに配属されたのが2023年。ガイアは1人のディレクターが1本制作することは稀なのですが、「そごう・西武 ストライキの舞台裏」(2023年9月15日OA)や「追跡!ビッグモーター」(2023年12月22日OA)、「企業買収に潜む”詐欺師”」(2024年10月4日OA)などは取材から編集まで手がけた作品です。関係者の元に何度も足を運んで、信頼関係を築き、ニュースの舞台裏を映像化しました。

よく「どうやってガイアはあそこまでの舞台裏を撮ったのか」と聞かれることも多いのですが、実際は特別なことはほとんどしていません。ただ、「メールで済ませるのではなく、電話をかけてみよう」「電話をかけるのではなく、直接会いに行ってみよう」「一度会いに行くのではなく、何度も会いに行こう」というように、ほんの少しの”手間”をかけてみる。そうすると、ふとした時に取材対象者から託されることで、独自の報道ができるのだと思います。

「“託される人間”になれ」これも、先輩からの言葉です。

「わからない」と言える勇気こそ大事

インタビュー

報道の仕事をしていると、当然難しい事案の取材に直面することもあります。報道人としては当然、日々の勉強は大切ですが、それでも「わからない」ことは出てきます。知ったかぶりをしていては、正確に報道することはできません。
以前、ノーベル賞を受賞した方の取材をした時に、30分ほどカメラを回しながら取材をしたのですが、内容が難解すぎて、恥ずかしながら全く理解することができませんでした。「ノーベル賞受賞者の取材に行くのだからもっと準備しておけばよかった」と申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが「すみません。まったく分かりません」と取材を一旦止めさせてもらいました。そうすると、「これならどうでしょうか」と、別の器具を持ち出してわかりやすく説明してくれたのです。取材者が理解してなくて、視聴者に理解してもらえる表現ができるわけはありません。結果として、映像としてもわかりやすく、丁寧にその日のニュースをWBSで報じることができました。

「わからない」と言うことは恥ずかしいものですが、正直に「わからない」と言える勇気こそが報道の仕事には大事だと私は思っています。

若い頃から現場で勝負できる報道局

インタビュー

丁寧な取材を積み重ね、現場や取材対象者と真摯に向き合い、他のどこでもみることのできない独自の切り口でニュースの舞台裏に深く斬り込んでいく面白さが、報道の仕事にはあります。様々なメディアの選択肢がある時代だからこそ、いま視聴者の方が観たいのは“ホンモノ”だと思います。

テレビ東京の報道局は入社1年目からたくさんの場数を踏むことができます。記者として経験を積みながら、掴んできたネタを30秒や1分といった尺でニュース番組に出すだけでなく、そのネタをさらに深く取材して、7〜8分の特集VTRを作るチャンスがたくさんあります。ぜひ一緒にニュースの舞台裏を追いましょう。

若手時代、WBSでPDを担当している時
若手時代、WBSでPD(プログラムディレクター)を担当している時
若手時代、東証からの中継
若手時代、東証(東京証券取引所)からの中継
WBSディレクター時代のヘリ取材
WBSディレクター時代のヘリ取材