2013/3/1

スタジオ照明 使用電力削減大作戦

番組をつくるスタジオの照明使用電力を削減せよ。

東日本大震災をうけ、節電が各所で叫ばれました。テレビ東京でも、使用電力を削減するための努力が各所で行われています。 テレビ東京本館の使用電力のうち約75%が放送設備に関わる電力です。なかでも番組をつくるスタジオ照明の使用電力が特に多く、2012年度はこの電力を対前年比25%削減する目標を立てました。

大命題
★番組の質を落としてはならない!!!★

照明の使用電力を削減するために、単純に照明の数を減らしてスタジオを暗くするだけでは、良い番組がつくれなくなります。テレビ東京を視聴していただいている皆様が、気にならない(気がつかない)ように使用電力を削減するために、テレビ東京は次のような方法を実施しました。

1. 方針…照明用の電球を交換する

照明用の器具には、ハロゲンランプという電球が入っています。テレビのスタジオで使用する電球は、小さい物でも消費電力が500W(一般的な家庭用電球:40W~100W)もあります。

番組制作では、多種多様な照明器具を多数(バラエティー番組では、70~100台以上)使用しています。
したがって照明だけでも、1時間あたりの使用電力量は、100kWh~180kWh程度にもなってしまいます。

そこでテレビ東京では、電球を1クラスずつ消費電力の小さい物に交換して番組をつくることにしました。当然、照度は低下、つまりスタジオが、やや暗くなります。

3kW電球 ⇒ 2kW電球に交換2kW電球 ⇒ 1.5kW電球に交換

1kW電球 ⇒ 750W電球に交換750W電球 ⇒ 500W電球に交換

ハロゲンランプ500Wと5kW

2. 実際の番組制作現場では…

番組の制作現場では、視聴者の皆様にお届けする映像の質をVE(ビデオエンジニア)が管理しています。

テレビカメラのレンズにも絞りが付いていますが、照明の状況に応じてVEが調整をしています。しかし照明の電球を小さくしてスタジオが暗くなったからといって、むやみに絞りを開くことはできません。

絞りを開くと登場人物と背景のボケ具合(被写体深度)が変化して画面の雰囲気が変わり、番組制作のコンセプトから外れます。これは、番組の質低下を意味し、番組制作上、大きな問題です。

そこで、照明担当とVE、それに実際の映像を撮影するカメラマンが綿密な打ち合わせを行いました。

こうして映像の質が低下しない範囲でレンズの絞りと照明の照度を決め、番組の質低下を防ぎました。

照明担当とVEの真剣な打ち合わせ

3. ホリゾントの使用方法…

テレビのスタジオには、照明を使って青空や秋空などを表現する、ホリゾント(通称ホリ)という白い壁があります。

このホリには、[赤色][緑色][青色]の色フィルターが装着された、その色専用の照明器具と色フィルターが装着されていない[無色]の照明器具が用意されています。
今まで、ホリに色をつける時には、各色専用のライトを同時に照らして色を混ぜることによって微妙な色合いを作り出していました。しかし、これでは、照明器具の数が多くなってしまいます。

そこで、番組担当者と事前にみっちり打ち合わせを行うことでイメージに合う色のフィルターを用意し、[無色]のホリ用照明器具に装着することにしました。これにより照明器具の使用数を減らして消費電力を削減することができました。

ホリの照明器具

削減結果

番組により照明の使用状況は違いますが、今回の対策を実施することにより、本番時の電力は、約23%削減することができました。これに加えて、本番以外では消灯、減灯を徹底するなど、運用面での電力削減を加えると、スタジオ照明電力全体で当初の目標であった約25%を越える削減を実現しました。もちろん、現在も削減した状態で番組制作を行っています。

交換した電球の数(本社スタジオ×2、天王洲スタジオ×2)

交換電球種類 交換本数 備 考
3kW 2kW 114本  
1.5kW 1kW 75本  
1kW 750W 205本  
UH1kW 750W 700本 ホリゾント用電球
LH750W 500W 460本 ホリゾント用電球
  合計 1554本  

※その他にも照明効率を上げるために、多数の部品を交換

4. 今後の取り組み…

LED照明器具の性能も年々向上してきていますので、ハロゲン電球からLEDライトに交換可能な部分は積極的に交換を実施し、さらなる使用電力削減をめざします。