2013/3/4

バラエティー番組プロデューサーの職業講話

~熱い想いを内に秘める中学生~

「生きること、働くことの意味を考え、自分の将来の夢や目標を見直す機会をつくる・・・」そんなキャリア教育プログラムを授業に組み込む中学校が増えています。その代表的なプログラムとして、「職場体験」と「職業講話」がありますが、テレビ東京にも職業講話の依頼が舞い込むことが多くなっています。今回、制作局の工藤里紗さんが小平市立小平第二中学校の1年生を対象にした「職業人の話を聞く会」で講師を務めました。

小平第二中学校は、キャリア教育を進めている学校の中でも特に熱心な学校だという評判で、「仕事に対する姿勢、スピリットなど、‘大人の本気’を示してほしい」という熱い要望を受け、工藤さんは情熱を持って授業に挑みました。

制作局の工藤さん

  • 「皆が束になって番組作り!」バラエティー番組が出来るまで(企画から撮影、編集、PV、MAまで)
  • 「とにかく最初に現場につきたい!」なぜテレビ局にエントリーしたか
  • 「誰が流した噂なの!?」インターネットと新聞やテレビの責任の所在の違い
  • 「日本の地名をもっと覚えておくべきだった!」今勉強していることも、社会に役立つ事例
  • 「忙しさはどうにかなる!」たしかに大変だけど、波があるから大丈夫!
    勉強と同じでどうペースをつかんで合間で遊んだり、新しい事考えたりするかが大事。
  • 「人にモテる人って魅力的!」番組作りにおけるコミュニケーションの大切さ
  • 「弱者の気持ちに立てるか!?」強い人の意見にそうだ!そうだ!というのは簡単
    いかに弱い立場の人の気持ちに立ち、その意見を伝えられるかが大事。それが目標。

工藤さん出演のバラエティ番組のメイキングVTR

こうした工藤さんの体験や本音を盛り込んだ講義に対し、生徒の反応はというと。
「し~ん」・・・。
とにかく静か。質問を投げかけても、「将来仕事をしたい人!」という呼びかけにまで「し~ん・・・」。そう、おとなしい・・・。
これは一体どういうことか!?
ただ、聴く態度は真剣そのもので、おしゃべりも一切ありません!
授業用のワークシートへの取り組みも真面目で、一人一人が講義のメモを必死に書き込み、さらに、講義後に感想もきっちり全員が提出していました。

まじめに取り組む生徒達

<「静かな生徒たち」の裏側には?>

この日の小平第二中学校の講義を担当したのは、工藤さんと広告代理店のCMプランナー、弁護士、スポーツメーカー、飲食店の方、保育士など12人の講師でした。授業後、全講師が一堂に会し、この日の感想を一人ひとり述べました。

「昨年初めて講義をした時には、生徒の反応があまりにないので焦りましたが、後でいただいた感想を見るときちんと聞き入ってくれていることがわかって嬉しくなったので今年も参加しました」
「今年こそは生徒に反応してもらえるもっと良い講義をと思ってきました」
など、昨年も講師を務めた方々によるコメントによって私たちはホッとさせられました。

工藤さん自身も「とにかく反応が薄いですが、素直で純粋な子たちです」という説明を講義直前に学校から受けたということです。
実際、工藤さんへの感想はどれもまじめなものが多く、シャイなお年頃は態度と気持ちが裏腹なのかなと思わせられるものでした。

  • 「工藤さんは地理をもっとちゃんと勉強すればよかったと後悔していた。学校で勉強していることはこれから生きて行く上で大切なことだと思った」
  • 「死ぬ気でやらないとだめなことが分かったので死ぬ気で頑張りたい!」
  • 「色々な経験をして色々な人とコミュニケーションを取り、社会に慣れて行くこと、アイデアを出していくことで自分の将来の夢の実現のために必要なことだと思った」
  • 「弱い人のために声を出せるか?勝手にタブーを作らないという工藤さんの言葉が印象に残った」
  • 「1時間の番組を作るために何日もかけてやっていることを初めて知った。制作スタッフが100人を超えるとはびっくりした」

さらに、先日生徒1人1人からびっしりと書かれたお礼の手紙が工藤さんに届いたそう。向かい合って話すのは恥ずかしくても文章で想いを伝えられるまじめでシャイな中学生たちでした。

<キャリアコーディネーターの存在>

こうしたキャリア教育授業を支えているのは、実はキャリアコーディネーターという縁の下の力持ちの存在。社会の様々な所にアンテナを張りめぐらせ、地元の方や企業の方など社会と学校側のパイプ役を務めています。

キャリアコーディネーターの布さん

今回お世話になった小平第二中学校のキャリアコーディネーターの布昭子さんは笑顔を絶やさず、相手をリラックスさせる突っ込みが上手な方で、この方の存在なくしてはここまでこの学校のキャリア教育プログラムが盛り上がらないと言っても過言ではないようです。
子供たちの教育は教師のみならず、地域の方や企業など多くの人が関わり、そうした周りの大人の真心や真剣さが伝われば、子供に何かしら確実に響いていくものではないかと感じさせられる体験でした。