2018/10/25
初めて車いすの生徒さんたちにお越しいただきました

<実行までに丸1年>
都立八王子東特別支援学校のK先生から、校外学習の申し込みを頂いたのは、
1年前の去年の9月。
移動に介助が必要な車いすの生徒のみなさんの受け入れは1度も行ったことがなかったため、
当初は学校に赴いての【出前授業】を提案しましたが、
「普段なかなか外の世界に触れることがない子どもたちに、
テレビ局の世界、外の空気に触れさせたいのです。
この子たちは、みんな、外に出かけることが挑戦なのです」
という先生の熱意を受け、『校外学習』に『参加』して頂くことを決めました。
突然の体調不良等、何か突発的なことが起こった時に対処出来るのか?と躊躇しましたが、
「お願いしたテレビ局にはすべて断られました」
という先生の言葉に、校外学習担当のスタッフはなんとか実現したい、と思いました。

校外学習前に生徒さんから来た手紙
<確認に確認を重ねたオリジナルのプログラム作り>
開催までに、先生の下見と打ち合わせは2度行われました。
車いすで移動出来るルートの確認、給湯室の位置の確認。
段差はないか?介護トイレの場所は?数は?広さは?
排泄介助スペースの確保をどうするか?
そして、社内を移動する時に重要なエレベーターの専用使用の確認・・・。
メジャーを持って、自分たちが普段何気なく過ごしている社内をつぶさに見て回りました。
また、先生は普通食が食べられない生徒さんのために、
特別食のお弁当を作ってくれる会社近くのレストランを探し、
中期食(ミキサーにかける。粒がある)と
初期食(ミキサーにかけて、裏ごしをする)を発注。
最終的に、普段使っている校外学習のプログラムを、
そのまま流用することは出来ませんでしたので、
確認に確認を重ねてのオリジナルのプログラム作りとなりました。
<車いす8台。総勢21名の来社>
中型バス2台に分乗して来社したのは、
車いすの生徒さん8名に、教員、小児科医、ご父兄を含め総勢21名。
代表者の丁寧なご挨拶から始まった校外学習。
警備員が付き添い、エレベーター1台を専用運行にして、
車いすは4台ずつ3回に分けてメインの会場となるスタジオのある10階まで上がることになりました。

開校式の様子
到着直後、排泄の介助が必要のない生徒さんは、
まず生放送中のニュース番組をサブ(副調整室)で見学。
報道専任局長がニュースについて説明すると、やや緊張した様子…真剣な表情。
そして、生放送が終わったばかりのスタジオで、
実際にキャスターが座っていた席での「キャスター体験」を始めると、
笑顔がこぼれ始めました。
今回は、事前に学校にお送りしていた天気予報の原稿を、
一生懸命練習してきてくれていたのです!―――なので、とても上手!
天気予報を
『わかりやすく、ゆっくり、しっかり伝える』
素晴らしい原稿読みとなりました。

キャスター体験の様子
続いては、緑色の幕の前に立つと、他の景色などと合成できる『クロマキー体験』。
スカイツリーからの映像が合成されると、まるで自分たちが宙に浮かんだような映像に・・・
スタジオのモニターに、車いすの自分たちが空を飛んでいるように合成されて映ると、
すぐに鳥のように両手を広げて楽しそうに羽ばたくふりをする生徒さんもいて、
なんとも微笑ましかったです。


クロマキー体験の様子
<カメラ撮影も体験>
続いて、いつもの校外学習では使っていない報道、スポーツのスタジオのサブで、
TD(テクニカルディレクター)と音声スタッフ体験をしました。
スタジオでは、特別食や栄養の注入のため、食事に時間のかかる同級生が先に食事を始めていて、その様子をカメラマンたちが撮影していました。
サブにいる生徒たちは、インカムを付けてそのスタジオにいるカメラマンに
「お弁当のヨリをお願いします」
「〇〇ちゃんを撮って下さい」
と、まるで本物のディレクターのように指示。
その通りにカメラマンが撮影し、サブの画面に映し出されると、
大きな笑い声をあげて喜んでくれました。

サブ体験の様子

食事の様子がスタジオモニターに
<ナナナが来た!>
さて、食事を終え、全員で記念撮影をしていたところに現れたのは
テレビ東京のバナナ社員の「ナナナ」!
これにはみんな大興奮!スタジオの空気が一気にパーっと明るくなりました。
先生方も、普段表現が控えめな生徒さんのリアクションに大喜びし、
あまりの反応の良さに、スタッフ一同キャラクターパワーの強さを
見せつけられた気がしました。
と同時に、その無垢な笑顔に癒されたのは言うまでもありません。


全員でナナナポーズ!
続いては、普段の校外学習ではほとんど行っていないスタジオカメラを操作する「カメラマン体験」。
カメラを通して見るキャスター役の同級生は、輝いて見えたようです。


カメラ体験の様子
<芸能人に会えた!>
最後のプログラムは「ABChan ZOO」のスタジオ見学。
出入口の混雑を避けるため、2班に分かれてスタジオに入り、
床に沢山広がっているカメラケーブルは、
番組スタッフが持ち上げて車いすを通してくれました。
プロデューサーのはからいで、スタジオ最前列で見せて貰ったリハーサルは、
『一生の思い出になるに違いありません』と先生も喜んでくださいました。

目の前にA.B.C-Zが!
最後にお別れの挨拶。
校外学習を担当しているスタッフだけでなく、
各スタジオのスタッフにもそれぞれに御礼の手紙を頂き、
数々の苦労も吹き飛ぶ嬉しさでした。
引率の先生からは
「重度の障がいを持つ子どもも、自分でカメラなどの機械を操作したり
画面に映ったりし、全員が楽しめたというのが本当に貴重な体験だった」
という御礼のことばをいただき、
生徒のみなさんからは、校外学習の後に行った東京タワーなどの絵葉書がきました。
とても嬉しかったです!!!

後日、届いたお礼状
<テレビ東京も、自信がつきました!>
思い切って車いすを使う生徒さんの受け入れを決断して、
様々なお子さんたちを受け入れていきたいという願いが
1つ叶った日となりました。
そして、2年前に引っ越して来た新本社が、
想像以上にバリアフリーになっていることに気付く事が出来ました。
これも私たちには大きな収穫でした。
帰り際に
「これからはもっとテレビ東京を見ます!」
と言って下さった都立八王子東特別支援学校のみなさん。
笑顔を沢山ありがとうございました。
【その後、来社された特別支援学校・特別支援学級の皆さん】
2019年 3月18日 筑波大学附属大塚特別支援学校(東京都)
2019年 9月11日 東京都立八王子東特別支援学校
2019年11月13日 北海道新得高等支援学校
2019年11月14日 品川区立荏原第五中学校特別支援学級(東京都)
2019年11月20日 豊島区立巣鴨北中学校特別支援学級(東京都)
